Monthly Retrospect #2(February 2018)

海外を転々とするのもいいけど、どちらかといえばインドア派、田舎の縁側で西瓜でも食べていたい。アートはある種の「旅」に似ていて、読書や映画鑑賞をしている時間はバックパッカーさながらの世界旅行をしているような気分です。

 

と、先月「Monthly Bookreview」ということで揚々と銘打って読書日記をつけ始めたわけですが、読書だけではなく映画だとか演劇だとかショーだとか、毎月感性を刺激される機会が多いことに改めて気がつきました。

そんな1つ1つの「旅」をそっと備忘しておくという意味でも、今月はRetrospectとしてひとまず映画という括りを追加して月を振り返ってみました。もし気になる作品があればぜひ見てみてくださいね。

book

日本3.0

 

著者:佐々木紀彦(2017/1/25発売)

時代の変動への対応力を磨くこと、自分のキャリアをポートフォリオマネジメントし成長していくこと、「成功できる人間」になること、果たしてそれらは自分にとって本質的に大切なことなのだろうかと最近は思うこともあったりするのですが、将来に対する先見性や他人の時代観に触れるという意味でこの手の本はやはり読み応えがあります。何よりも佐々木さんの情熱に心打たれる、これだけ熱い人もそういない。人によって東京オリンピック後の日本の展望は表面的には違う言葉で語られていますが、本質的には1つの答えが出ている気がする。それは「絶対楽しい時代がくるに決まってる」ということ。来たるべきそのときを不安がるのではなく、ワクワクしながら生きていこう。読了後そんなことをふと思いました。

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Lily ー日々のカケラー

 

著者:石田ゆり子(2018/01/30発売)

良書。かなりの良書でした。大好きなものや何気ない暮らしについて綴ったエッセイやロングインタビューなど、石田ゆり子さんの日々のカケラがそっと纏められた優しい一冊。石田ゆり子さんは別に演技が好きなわけではないし世代もだいぶ違う女優さんだけれども、数少ない好きな女優さんのうちの1人です。「淀まず止まらず」という座右の銘に沿った彼女の自然体な生き方は僕にとっては理想そのもので、「こんな風に暮らしていたい」と何度も唸ってしまう内容でした。自然体の自分自身と向き合おう。当たり前の日常に感謝しよう。そうして日々に溢れる小さなカケラを大事にしまっておこう。ふとしたときに何度も読み返すであろう一冊です。

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星を継ぐもの

 

著者:ジェイムズ・P・ホーガン1980/5/23発売)

こちらメンターに勧めていただき読み始めた一冊ですが、今まであまり読書をしていて感じることのなかった感覚に陥っています。SFというジャンルで括ればそこにはロマンがあるのかもしれませんが、決してドラマティックでワクワクする展開ばかりなされるのではなく、極めて論理にこだわって小説内における仮説が検証されている。「サピエンス全史」を読んだときの感覚に似ているのかもしれない、でもサイエンスフィクションだからそれとはまた違ったイメージ。まだ読了していないので感想はそこまで言いませんが、これは時代や世代を超えて読まれるべき一冊であることは間違いない。唸りながら読んでます。

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さよなら私のクラマー

 

著者:新川 直司(2016/08/17発売)

スポーツ漫画で言えばスラムダンク世代ではないし、かといってハイキュー世代でもないし、紛れもないアイシールド21世代の僕ですが、やはりスポーツ漫画というものは極めて現実的で身近で読んでいて感情移入せずにはいられない。元陸上部&野球部出身だからだろうか。この作品もメンターが面白いとオススメしていたものでしたが、サッカーをやっていた人はもちろん、そうでない人もサッカーをやりたいと思わされるような作品でした。正しくはスポーツを通してこういうエモい感情になりたい、そう思わされる作品です。それだけ登場人物のキャラクター構成や試合中の臨場感あふれる(これはほんとにすごい)演出など、単純に作品としてのクオリティがかなり高く、久しぶりに素晴らしいスポーツ漫画に出会いました。歳取ったのかな、最近ほんとに涙もろい。

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movie

DESTINY 鎌倉ものがたり

 

 

著者:西岸 良平、山崎 貴、蒔田 陽平 (2017/12/09公開)

舞台は鎌倉、監督は山崎貴、主演は堺雅人、そして宇多田ヒカルが主題歌を歌う。もう見ない理由がないと言ってもいいくらい好みの作品で、実際に観てみた感想としては「間違いなかった」と。僕も堺雅人演じる一色先生のように、鎌倉のちょっと大きな古民家で売れない作家さんとして生きていきたいと、もはや本気でそう思うくらいに憧れる世界観で描かれた作品でした。三丁目の夕日、サマーウォーズ、耳をすませば、君の名は、そしてこの鎌倉ものがたりもそう、日本の日本らしい風景の中で描かれる物語にはやはり惹かれるものがとてもあるし、やはりそういう当たり前な日常の世界にファンタジーやロマンスは溢れている。そしてそんな日常の世界にこそ人は自分を投影し、感情を移入し、エモくなる。笑いあり涙ありで、とても素敵な気分にさせてくれる作品でした。

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セッション

 

 

監督:デイミアン・チャゼル(2014/10/23公開)

こちら4年ほど前の作品で観たことのない人の方が少ないと言っても良いくらい有名な作品ですが、最近Amazonプライムに追加されたことを機に初めて観ました。しばらく観よう観ようと思ってはいたけれど、どこか怖い気持ちがあって、観たら何か自分の中で大きなものが壊れてしまうような気がして、正直観れずにいたところもありました。作品を観て、これは音楽の、しいては人間の「狂気」そのものがリアルに描かれている。それは鬼教官フレッチャーはもちろんニーマンにしても同じで、2人のやり取りや生き方そのものが狂気じみていて観ている自分も息苦しくなる。そして何よりこの作品の全てはラストシーン。彼らの狂気や努力や憎しみや信念や人生の全てが「セッション」を通じて、最高潮の瞬間に向け昇華されていく。それは音楽や映画というジャンルや枠組みを超えて、涙が出るとかそういうレベルではなく、「素晴らしい」。もはやそうとしか言えない。映画を観ると何かを考えさせられたり気づきがあったりいつも生産的なものであるはずなのに、この作品は違った。そこにあったのは2人の「セッション」だけだった。ここまでカメラの先に入り込める作品は、正直言って他にはないと思います。

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海街diary

 

 

監督:是枝裕和(2015/06/13公開)

これも先述の鎌倉ものがたりと同じく、舞台は鎌倉。おそらく自分は鎌倉が好きなんだろう、今思えば小学校の修学旅行は鎌倉だった。そんな安寧の場所が舞台となる作品はエモくないわけがなく、母違いの四姉妹が「家」を起点として心の底から打ち解けていく物語や、日常を極限まで日常らしく表現した世界観は、観ていてとても心地良いものでした。ただこの手の作品は大好きなんだけど、いつもクレヨンしんちゃんの「オトナ帝国」を思い出す。郷愁に浸るというのは過去に執着することと紙一重で、懐かしい風景や全てが削ぎ落とされた日常に憧れることは、作品によっては「あの頃に戻りたいよね、でも現実的に戻れないよね」と現実を突き詰められる。そういった意味で鎌倉ものがたりとか海街diaryとかサマーウォーズ的な世界観は映像作品の中だけの話なのかなあと思いつつ、ふと目にした石田ゆり子さんの生き方が「そんなことないよ」と語りかけてくれる。僕らが還るべき場所はどこなのか、まだまだ考え続けていく必要がありそう。

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そして父になる

 

 

監督:是枝裕和(2013/09/28公開)

海街diaryの流れでそういえば是枝監督の「そして父になる」は観ていなかったなあと、ふと。作品内容については全く知らず、まさか子供の取り違えを中心に物語が展開されていくものだとは思わず驚きました。福山雅治とリリーフランキーの一家がわかりやすいコントラストで描かれており、入り込みやすい内容、リアルな日常が描かれている世界観など、とても素直に作品が自分の中に入ってくる感覚でした。作品としてのテーマとして、「父」とは「親」とは「家族」とは「子供」とは何なのか?ということを深く考えさせられましたが、やはり正解なんてないんだな、と。特に取り違えをしてしまった助産師の方の息子が出てきたシーン、あの場面で隣にいる誰かはどこかにいる誰かにとっての「家族」であり、そのあり方に正しさなんてものはないのだと思いました。作品名は「そして父になる」ということでしたが、最後に福山雅治とその息子が選んだ道というのはあくまでこの作品における「父とは何なのか」という問いに対する答えであり、それが100%正解だとは言い切ることはできない。それでも「血」ではなく「心」で繋がり合うことを選んだ、そんな家族のあり方もあるものだと、素敵なことだと感じさせてくれる作品でした。是枝作品は「家族」との結びつきが深い印象。

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ABOUT ME

RIKU(坂本陸)WEBマーケター及びコンサルタント

オフィシャルメディア「LIVE YOUR LIFE」運営/オンラインスクール「THE LIFE SCHOOL」主催/早稲田大学在学中にPC1台で起業し、その後大学中退の道を選び独立。現在は個人ならびに法人向けのコンサルティング活動・メディア制作や、就職活動・進路選択に悩む大学生のキャリア相談など幅広く活動中。23歳、RADWIMPSと甘いものに目がない。

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